<<I LOVE QUASAR>>
クウェーサーとの思い出
ヨットと暮らした日々
僕がはじめて彼女と出会った時、彼女はトム・ボーイと呼ばれていた。
日本語で言うんなら、「おてんば娘、勝ち気な女の子」てことになるかな。
でも、実際の彼女は素直でいい娘だった。
トム・ボーイの艇種は、なかよし25といって、当時はなかなか人気のある船だった。僕が以前勤めていた会社の先輩が、新しいヨットに乗り換えるというので、僕の友達と共同購入することにしたわけだ。
その時の仲間は5人で、兵庫県の須磨ヨットハーバーの南港で、ディンギを楽しんでいた。ディンギには、モーターは付いていないから、免許はいらない。
当然のことながら、誰も免許は持っていなかった。
したがって、トム・ボーイを手に入れる前に、何としても小型船舶の免許を取る必要があった。
●海技免状・一級小型船舶操縦士の取得
この海技免状は、日本国政府(運輸大臣)が認定する国家資格だ。
だから、ジェットスキーであれ、ゴムボートであれ、エンジンの付いた水上の乗物を日本国内で操縦する時には、必ず所持しておかなければ無免許運転になってしまう。
小型船舶操縦士の種類は、一級から四級まであるが、東京湾内や大阪湾内、あるいはマリーナのある沿岸で、クルージングを楽しむだけなら、四級で充分だ。等級の違いは、船の総トン数と沿海のどこまで遠く航海できるかによる。ちなみに一級を持っていれば、北極海域と南極海域以外なら、20トン未満の船舶で、世界の海を航海することができる。
そして、僕は、どうせ受験するならということで、一級に挑戦することにした。この無謀な決断により、その年の正月は、ほとんど部屋から出ず、小型船舶操縦士の教本と問題集と、にらめっこをするはめになってしまった。
正月を返上してがんばったおかげで、独学ながら、学科試験も一度でパスし、実技試験の準備をすることとなった。学科試験も難関ではあったが、実技試験の方は、さらに始末が悪い。何といっても、この時僕は、モーターボートすら操縦したことがなかったのだ。それで、当然のことながら、ボートのライセンススクールに行って、実技の勉強をすることにした。
実技では、A型船(漁船を思い浮べてください)とC型船(モーターボート)の操船、それに、レーダー、ロラン、六分議の使用法、航海計画等、盛りだくさんで、合格するのは容易ではない。他の講習受講者といっしょに合計で8時間程の実習をして本番の実技試験に臨んだわけだが、合格できるかどうかは、運次第というレベルでしかなかった。
それでも、和歌山の由良港にある試験場では、恐ろしいほどうまくいき、見事!1回で、一級小型船舶操縦士免状を取得することができた。本当に神懸りの1日であったような気がする。というのは、潮の流れが速く、僕以外の受験者は全員、A型船の人命救助の際、落水者に見立てたブイを拾い損ね、岸まで流してしまったのだ。そんな厳しい条件のなかで、女神が、僕にだけ微笑みかけてくれた。
きっと、クウェーサーが、僕に幸運を呼んでくれたんだ。
海技免状を取得するには、
- 身体検査:視力、聴力の検査。疾病、身体障害であっても、軽症であれば、合格できる。
- 学科試験:4級は比較的簡単だが、1級は難しい。
- 実技試験:4級(C型船のモーターボートのみ)は比較的簡単だが、1級は難しい。
に合格しなければならず、独学では4級でもなかなか難しい。
ボートのライセンススクールを受講するのが、免状取得の一番の早道だ。
<小型船舶操縦士の種類>
総トン数20トン未満の小型船(ヨット、モーターボート、ジェットスキー、漁船、釣船等)を運行する場合は、船長として小型船舶操縦士の免許が必要だ。
| 資格 |
海域の区分 |
総トン数 |
内容 |
| 一級 |
外洋 |
20トン未満 |
20トン未満の外洋小型船の船長 |
| 二級 |
沿海 |
20トン未満 |
20トン未満の沿海小型船の船長 |
| 三級 |
沿岸 |
20トン未満 |
20トン未満の沿岸小型船の船長 |
| 四級 |
沿岸 |
5トン未満 |
5トン未満の沿岸小型船の船長 |
クウェーサー誕生
無人島での冒険
由良港へのクルージング
帆船パレード
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