肥後・子守唄の里の"マダラ"に会いたい!

九州球磨川流域
「川辺川支流 下梶原川の
C&R区間」実現間近!!







1997年8月4日付け朝日新聞熊本版より
「ラストフォート」の活動は、地元マスコミでも報じられた。ちなみに五木村ではヤマメを「マダラ」と呼ぶ
キャッチ&リリース区間(予定)位置図↑
球磨川水系川辺川支流
下梶原川の全域(約10km区間)


熊本県熊本市在住の会員・宮崎亨さんから、「私たちの仲間が川辺川に C&R区間を作ろうとしています」という報告が届いてから、1年半。TFJや TF通信などで、彼らの活動をお伝えしてきました。
その川辺川支流下梶原川に、早ければ平成10年4月、C&R区間が設定されま す。
宮崎さんたち6人のメンバーからなる「ラストフォート」というフライフィッシ ャー集団の働きかけが、 平成9年6月に着工した川辺川ダム建設の問題で、 長年揺れ続けた地元五木村の村づくり事業として検討され、 正式に計画にもりこまれたのです。


  ●「ラストフォート」とは?

 熊本市内にあるプロショップで「釣れない」談義に花を咲かせていた釣り人数 名……。 こんなどこにでもある光景から、「いつも釣りに行く川辺川にC&R区間を作り たい、作っちゃおう!」という発案が飛び出しました。医師、薬剤師、編集者、 観光業などなど、30代を中心としたメンバーははじめは名なしの集団でしたが、 島巻さんの発案で「ラストフォート(最後の砦)」と命名。貴重なヤマメの溪を 守ろうという強い決意さえ感じられるネ−ミングですが、お話を伺った方々は、 みな活動自体を楽しんでいるという印象を受けました。

 地元メンバーである島巻さんは、東京、熊本の旅行代理店勤務を経て、現在は 五木村観光理事。田中さんは島巻さんの同級生で、現在、村会議員。この2人が 主に行政への窓口として、今回の計画の具体化に向けた原動力となっています。 歌野さんは、この夏アメリカを縦断。各州の釣り場のレギュレーションについて の調査・資料集めを行っており、これらの成果を「今回の計画の中で日本の実情 にあった形で生かしていきたい」と語ってくれました。

下梶原川C&R区間について

 五木村では、現在「五木ルネッサンソン」というキャッチフレーズのもと、 「子守唄の里づくり計画」という、主として観光による村の活性化事業が進めら れています。

 今回のC&R区間設定は、この事業に含まれるもの。計画によると村は6つの ゾーンに分けられて、それぞれの地区の個性を生かした施設や整備が行われるこ とになっています。その中で、下梶原地区は「山間の生活ゾーン・紅葉の里」と 位置付けられ、ヤマメ養魚場や休校施設を活用した川のアウトドア拠点の整備な どとともに、下梶原川C&R区間の設定が計画の第1ステップとして実行されて いくことが決定しています。いまのところスタート時期は未定ですが、宮崎さん たちは「来春実現!」に向かって積極的に働きかけていくようです。

 「今後の鍵を握るのは、各事業の立ち上げ時期の中で『C&R区間』がどのよ うな優先順位のもとに実行されるかということ。また、漁業権を有する球磨川漁 協との話合いが大きな課題となっています」(宮崎さん)。

 また、下梶原川は小規模な溪なので、釣り人のキャパシティには限りがありま す。そのため、今後は、人数制限なども含めた釣り場管理の提案を漁協に働きか けていくことも考えているそうです。

 当初、C&R区間は「フライフィッシングには絶好」と宮崎さんがいう川辺川本 流になる予定でしたが、平成9年6月から始まったダム工事に伴う道路建設のた め、計画変更を余儀なくされたという経緯がありました。
 そして現在は、川辺川本流最上流部へのC&R区間設定のために、五木村に隣 接する泉村へのアプローチを始めているということ。 

宮崎さんのお話による と、現在、九州のあちこちの溪で釣り人による「C&R区間設定」の動きが出て きているそうです。



写真はいずれも下梶原川C&R区間予定地。
いわゆる山岳渓流タイプの川。
現在に状況では解禁後、わっと釣り人が集まり、
その後ぱったり釣れなくなってしまうらしい。

RIVER SIDE MESSAGE

 それぞれの溪への思い、そしてC&R区間設定への心意気……。「ラストフォ ート」の方々から、TFJ読者のためにメッセージをいただきました。

熊本市・宮崎 亨 (38歳・小児科医)

 「この溪良くなったね。砂防はなくなったし、山もいろんな木でにぎやかにな って、水量も安定して」……などと友人と話ながら溪を歩いていると、オオッ! あんなところにデカ山女魚のライズがっ、あれいただき!!・・ってな状況を実 現させたいものである。♪い〜のちぃ〜みじぃ〜かしぃ〜釣りせよ〜おやじぃ〜 ♪


熊本市・芝田哲夫  (34歳・薬剤師)

 あくまでも水は澄み、ゴミもなく、いつ来ても愛するやまめちゃんの顔が拝め る川って、どっかにないかな? あるわけないか、そんな桃源郷。じゃあ自分た ちで作っちゃおうよ!てなわけで、仲間内のぐちから始まったこの"一河川まる ごとC&R"計画。スタートからほぼ1年が経過し、ようやく光が見え始めてき ました。あとはエッシャー(餌釣り師)対策です。C&Rをいかにして浸透させ るか、皆様のご協力をよろしくお願い致します。


熊本市・歌野 毅  (28歳・フリーライター)

 殊に戦前生まれのおじいさんたちは凄いです。古典的な九州男児は、今すぐ結 果が見えないような遊びはしません。たとえば、釣りをしていて少しでも食いが 悪いと、さっさとハダカになって川へ飛び込み魚を手掴みにしちまう。私たち は、そんな攻撃的な漁法が今もキラキラと輝いている九州でC&R区間を作ろう としているのです。私は、このプロジェクトが、全国の皆様の激励と助言と罵詈 雑言なしには成しとげられないものと信じます。


玉名市・高本光也  (28歳・放射線技師)

 ここ数年、私が川から帰ると、妻が「今日は釣れたの?」といいます。腕が悪 いのか、魚が減ってしまったのか。そんなある時、私の師匠(宮崎ドクター)が C&Rの川を作ろうと会を発足させました。私もおいしい話に吸い寄せられるよ うに(笑)メンバーになったのです。そして今回、トラウトフォーラムさんの協 力により、3月にイベントが開催されるとのこと。ありがとうございます。きれ いな川にきれいな魚がいて、きれいなフィッシャーマン&ウーマンが集まる場所 ……ぜひ実現したいです。


五木村・島巻弘充  (36歳・五木村観光協会理事)

 "一日が50時間あれば"と川へ、海へ、はたまた海の外へと水のあるフィール ドを求めて駆け回っていたのは20代の頃。そして今、30代後半。大好きな夜の巷 間にも別れを告げ、わが古里・五木村に帰ってきた。果たして清冽な溪の流れ は、ボロボロに傷つきながらも私を待っていてくれた。父の手ほどきで入門した 私の溪釣りも、ドングリ虫が毛針に変わり、缶ジュースが缶ビールに変わったけ れど、あの流れに向かう時の生き物の気配一点に集中する緊張感と楽しさは何も 変わらない。それも"生きている流れ"があればこそである。


五木村・田中雄士  (36歳・五木村村会議員)

 私が生まれた土地には球磨川があり、現在住んでいる土地には川辺川がある… …。どうやら死ぬまで、川なり、山なりとの縁は切れないらしい。ならば川や山との付 き合いを最大限に楽しむべきだろう。などといろいろ考えてみるが、はたして川が今 のままの状態なのか、山はどうなるのかと、私たちもそろそろ今までとは違った考え 方をしてみる時期になっているのかもしれない。




イベントを開催します。

   下梶原川C&R区間スタートに先だって、「ラストフォート」では3月28日 (土)・29日(日)に、五木村でのイベントを計画中です。このイベントには、 トラウトフォーラムも全面的に協力し、西山徹代表の参加が決定。詳しい内容 は、今後TF通信等でお知らせいたします。今年の解禁(3月1日)より暫定C &R区間にしてもらうよう、現在交渉中だそうで、うまくすれ ば、面白い釣りができるかもしれません。

 寒河江川の例をひくまでもなく、「人が予想外に集まる」ことは、地元・行 政、そして漁協に対して大きなアピールになります。九州地区、そして西日本の 会員のみなさん、もし、なんとか都合がつけば「子守唄の里」にヤマメの顔を見 にいってみませんか。

 また、九州地区の会員の方でこの活動に協力できる方を募集しています。「よ しっ!」と思われた方は、宮崎さん、あるいはトラウトフォーラム事務局までご 連絡ください。
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