トラウト
主張する釣り人
養成講座
<もっと気持ちよく釣りを楽しみたい>
普段、何気なく支払っている入漁料はどんな根拠によるのかをご存じでしょう
か。釣り場で納得のいかない規制を受けたことはないでしょうか。… "気持ち
よく釣る権利"を主張するためには、まず、私たち釣り人自身の義務と権利を学
ぶことから始めなければなりません。この講座では、釣り人に関係する法律や規
則などの状況を、できる限りわかりやすく説明していきます。
第2回は、"遊漁料"について確認します。
(本文まとめ/TF
事務局)
(イラスト/村川正敏)
第2回 なぜ払う? 遊漁料
●遊漁料について
どうしても説明が難しくなってしまいますが、遊漁料とは、内水面で第5種共
同漁協権(漁業権)を持った漁業協同組合(漁協)が義務として行っている放流
や増殖、漁場の管理に関する費用を組合員と同様に一般の遊漁者(釣り人)も負
担するという趣旨のものです。遊漁料は漁業権を管理する漁協ごとに定められて
います。
遊漁料を支払うと「遊漁承認証(遊漁券)」の発行を受け、漁場(釣り場)で
の遊漁(釣り)ができます。
遊漁料は漁業権魚種を釣る場合に必要になりますが、漁業権魚種以外を釣る場
合でも漁業権魚種を混獲する恐れのある場合は遊魚料を支払わなくてはなりませ
ん。
<例:ヤマメが漁業権魚種になっていて、ニジマスは漁業権魚種になっていな
かった場合でも、ニジマスを釣っているといってもヤマメが釣れてしまう可能性
があるため、一般的には遊魚料が必要になります。>
遊魚料は漁協が管理している釣り場で釣りという行為にたいして支払いますの
で、釣れた釣れないに係わらず支払う必要があります。
遊漁券には次のようなものがあります。
・県内共通遊漁券
この制度を取り入れている都道府県は現在まだ一部ですが、県内の漁協が知事
の免許を受けた第5種共同漁業権に係る漁場のすべてにわたって遊漁の承認、遊
漁料の徴収等が統一的に行われるものです。簡単に言えば県内の漁業権のある釣
り場(漁協が管理している釣り場)のすべてで使える遊漁券ということになりま
す。1年間遊魚期間内において有効です。(ただし、釣り場が県をまたいでいる
場合など特例もあります。)
共通遊漁券は各都道府県の漁業共同組合連合会(漁連)が販売窓口になって
いる場合がほとんどですから、購入申し込みは各都道府県の漁連にお問い合わせ
ください。魚種ごとに分かれている場合もあります。
・年間遊漁券(年券)
その漁協の管理する釣り場ごとに発行される1年間遊魚期間において有効な遊
漁券。漁業権魚種ごとにわかれている場合と、漁業権魚種すべてに有効の場合が
あります。発行は各漁協単位で行われています。
・一日遊魚券(日券)
その漁協の管理する釣り場ごとに発行される1日有効な遊漁券。漁業権魚種ご
とにわかれている場合と、漁業権魚種すべてに有効の場合があります。
前売り(各漁協で指定された発行所で購入の場合)と釣り場の監視員から購入
する場合とがありますが、一般的に釣り場での購入は前売りより高くなっていま
す。発行は各漁協単位で行われます。
※漁協ごとの遊魚券の場合、河川の途中で管理する漁協が変わる場合がありま
す。その際、共通で使用できる場合と別々の遊魚券が必要な場合とがあります。
●遊漁券販売の実態
現在国内の内水面は、北海道の一部などを除き、ほとんど第5種共同漁業権が
設定されており、川や湖で釣りをするためには遊漁券が必要になります。しか
し、釣り人が遊漁券を購入するのに、県内共通遊漁券以外は事前に購入すること
が難しく、現地の販売所の場所は遊漁規則に記載されていますが、釣り人が事前
に遊漁規則を調べて釣りに行くなどということは不可能に近い状態(遊漁規則の
入手すら面倒)ですから、現地に行って右往左往しながら販売所を探すことにな
ってしまいます。
また、渓流釣りなどは早朝から川に入るため販売所がまだ起きていないという
事態もあるわけで、「えーい!めんどくさい、監視員が来たら買えばいい」と釣
りを始めてしまうケースも少なくないのではないでしょうか。実際、渓流では監
視員がくまなく巡回するのは不可能なことですから、結局遊漁券を購入しないま
ま釣りを終えてしまいます。最近は遊漁券の自動販売機や終夜営業のガソリンス
タンドでの販売、コンビニエンスストアでの販売などを始めている漁協もありま
すが、まだまだごく一部に過ぎません。まじめに券を買おうとすればするほど釣
りの時間が短くなるというのは、ルールを守ろうとする人達ばかりが損をする、
という結果になっているのではないでしょうか。
●遊漁券販売の今後
釣りを始めたばかりの人などは川や湖で釣りをするのにお金が必要なことすら
知らずに釣りをしている場合もあります。釣り人がなるべく遊漁券を購入しやす
い環境を整えることがマナーの向上、規則の遵守につながると思います。
終夜営
業のコンビニエンスストアでの販売や事前の通信販売、自動販売機の設置など、
釣り人の利用し易さを考慮して販売方法を決めれば、現状でも遊漁券の販売は確
実に増えるはずです。
また、釣り場の入り口に大きな看板等を設置して、遊漁券
の販売所や川への降り口、駐車スペースの案内、禁止区域と全長制限などを記載
して釣り人に知らせるなどの方法もルールを守りたい釣り人にとってはありがた
いことでしょう。
釣り人は遊漁券を購入するとき、自分が釣りをする上で必要な規則(禁止区域
や全長制限など)を知っていなければルールを守った釣りはできません。遊漁券
の片隅に小さく記載されていることもありますが、釣り人は規則を知る権利があ
り、また知っていなければならない義務もありますから、遊漁券販売所で規則を
事細かに聞くということも必要です。多くの釣り人がそうすることで、販売する
側も規則を知らせることの大切さを改めて実感し、よりわかりやすい規則の告知
方法を考えるでしょう。
密漁や規則を守らない釣り人を取り締まることも必要ですが、その前に釣り人
が遊漁券を購入しやすいシステム、釣り人がわかりやすい規則の告知方法など、
考えなければならないことはまだまだたくさんあります。
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