トラウト フォーラム ジャーナル 1997/NO.12


TFの活動を通して思うこと 里見 栄正(1996年度TF代表)
トラウトフォーラム1996年度総会開催される
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トラウトフォーラム憲章・栃木県内における毛バリ禁止問題について・ トラウトフォーラム プロショップガイド・会報編集局から等



COVER COLUMN 4

TFの活動を通して思うこと

里見栄正(1996年度TF代表)
 古い話になるが、僕がTFに参加した直接のきっかけは、渡良瀬川のフライ禁止 問題に端を発している。
 その当時は、釣り人、漁協、行政と、それぞれの言い分や認識がバラバラの上 に、我々釣り人の間でさえ、細かい部分でのコンセンサスは十分とは言えない状 態での見切り発車に近いものだったのだから、問題解決の日など永遠に来ないも ののように思えた。
 ところが今年の河川清掃(TF会員を含む地元クラブが毎年行っている)で挨拶 に立った組合長にして、「キャッチアンドリリースを推進することこそが、良好 な釣り場維持には必要な時代…」と言わしめるまでの変化を遂げたのである。そ れだけでも感慨ひとしおといったところだが、とりわけ強く感じたのは、これま で関係してきた多くの人たちの努力と協力に関する感謝の気持ちだった。
 ほんの小さな事でも、きちんと決めるためには実に多くのエネルギーを必要と する場合がある。ましてや規則を変えるとなれば言わずもがなである。労を惜し むことなく動いてくれた多くの釣り人。それに応えた漁協、行政。それぞれが主 張する所は主張し、理解を深めることができれば、思っていた以上の成果を得る こともある、ということを渡良瀬川の例は物語っているとは言えないだろうか。
 釣り人側に問題提起をし、働きかけた誰かがいたように、漁協の中にも、それ を受けとめ、内部の調整をし実際に遊漁規則の変更に至るまでのわずらわしい作 業に尽力してくれた誰かがいたわけだ。
 行政にしても同じだろう。釣り人から苦情や要望が上がってきたとしても、無 視することはできないだろうが、それなりに引き延ばしたり、適当にあしらうこ とはできないことではない。お上がハンコを押すということがどういうものか は、日頃、許認可の絡む仕事をしている人でなくても、労力と時間が必要なこと は想像できるだろう。
 TFの代表としての2年間も集約すればこの辺りにあると思う。忙しい中時間を やりくりしながら活動を続けているプロジェクトのメンバー、直接動けないまで も会費という形で資金を提供してくれているメンバーやプロショップの方々。事 務局も代表部会会員の活動も全てに頭が下がる思いでいっぱいだ。
 活動していればこそ、その中で何かを決定し動かすことの難しさも実感し、そ の割に成果が上がらないというジレンマにも悩まされた。抱えている問題も半端 ではないし、今後もさらに増えていくのだろう。
 我ながら不本意で情けなかったと思える2年間ではあったが、決して悲観的に なっているわけではない。就任時に感じた『変化の兆し』は現実となったり、ま たなりつつあるのも事実なのだから。
 そして、仮に釣り場や我々を取り巻く環境が良い方向に変わっていると実感で きたとしたら、その裏に誰かの努力があったのだろう、と理解していただきた い。また、でき得るなら、その誰かが、TF自身でありたいと願っている。


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