トラウト・アンリミテッド(TU)って何だろう。-D

TUはいろんなイベントを行っているが、会員自身のためのイベントは少なく、その代表的なものが年1回開かれる年次全国集会―アニュアルナショナルコンベンション―である。今回はその全国集会がどんなものかを紹介しよう。この記事のもととなったのは「トラウト」誌の1985年秋季号と1993年夏季号である。
川野 信之(神奈川県)

年次全国集会の目的は1.事務的会合、役員選挙、2.会員相互の懇親、3.勉強会、討論会などで、開催は州支部が中心となって行ない、開催地もその州でTU総会にふさわしい地が選ばれる。自然に囲まれ、釣りにいい川が近くにある所である。受付や会合、晩餐会、釣具展示などはリゾート地のホテルや体育館などを利用することになる。期間は、週の中程に始まって、日曜で終わる3泊4日程度で、5年に一度のワイルドトラウトシンポジウムが合併して開催されるときは全国集会のあとに3日間の滞在となる(このシンポジウムについてはいずれ詳しく紹介する予定)。

では、1993年の8月4日〜8日にぺンシルバニアのハーシーで行なわれた第34回年次全国集会の日程を見てみよう。今回のスローガンは”一歩前進を!”である。

スポーツキャスターのカートゴーディはあいさつで「TUはアメリカで最も偉大な自然保護団体の一つだ」と言い、鮭鱒釣りを保護し改善してきたTU会員をほめたたえた。

ジョンフェローズ(中央)がアドルフ・クア会社(ビール会社)から大会会長のシン・ランディに贈られた寄付・援助を紹介した。

TUの生みの親であるジョージ・グリフィス(右)は−まだ83歳−ビュフェの試食をしている。そのかたわらでは、ナッシュ・ウイリアムズとパム・マクレランドがおしゃべりしている。

8月4口(水曜日)

8月5日(木曜日) 8月6日(金曜日) 8月7日(土曜日)−いちばん大事な日・朝食−州支部長あいさつ 8月8日(日曜日) 解散

以上が主な公式行事だが、これ以外にも初心者向けのフラィキャスティング教室、フライタイイング教宝、バンブーロッドメイキング教室や、バーベキューパーティ、釣り具メーカーによる釣具展示など、盛りだくさんのイベントが行なわれる。これらの教室の講師には誰でも一度は聞いたことがあるその道の有名人が割り当てられることが多い。

参加費用は、登録費が約3千円、バーベキューや晩餐会は3千円ランチは千五百円程度で、初心者教室はすぺて無料である。宿泊は大会本部で斡旋している。参加希望者は「トラウト」誌について来る申し込み書を送って予約することが原則だが、予約なしでももちろん受け付ける。

筆者は1985年のバーモント大会に参加した。印象としては、この年次総会を家族サービスを兼ねた国内旅行と考えて参加している人が多いことだった。大会主催者もそのことを認識していて、家族全体が楽しめるように配慮されているようだった。そして、いろいろの勉強やセミナーがあったが、それらの企画にはそれほど多くの参加があったわけじゃなかった。ただ、参加している人連は熱心に討論に加わっていた。

いちぱん大事な日である土曜日は会場は満員で、盛り上がっていた。授賞昼食会では、TU会員である上院議員がスピーチをして、<我々のまわりを見回すと山々のいただきの木々は酸性雨のために死につつある…>と話していた。

昼食会では、いくつかの賞が授賞された。個人を対象とした本年の職業的鱒保護章がワシントン州の水産課の人におくられた。ワシントン州では原住民であるアメリカインディアンと釣り人の間でこれまでトラプルが絶えなかったのだが、彼は双方が納得いくシステムを作り上げ、新しい時代を切り閉いたのだった。また、本年の団体鱒保護賞はTUの発行する「自然チャンネル」誌の編集部におくられた。そして、ゴールドトラウト地元支部賞はコロラド州のボールダーフライキャスターズにおくられたのだった。大晩餐会についてはぽくは書くことができない。その日の午後は釣りに行ってしまって、晩餐会には出席しなかったのだから。数百人のアメリカ人の中で日本人はぼくだけだったわけで、どうか気持ちを察してもらいたい。

ぽくはこの大会の後、オーセイプル川キャッツキルに釣りに行ったわけだが、大会中多くの人と話し、貴重な釣り情報も聞くことができた。オーセイプル川への行き方、オーセイプルでのホテル、釣りの情報源など熱心に教えてくれ、<これを見せれぱ悪いようには扱ってくれないよ>と名刺をくれた人もいた。そしてこの大会で知り合ったレオン・チャンドラーはキャッツキルに住む釣り人アート・リーを紹介してくれたのだった。

この大会は、TUの活助を進め、勉強するとともに白分自身や家族が楽しみ、友達の輪を広げる集いでもあったのである。

写真提供/川野信之 - 「TROUT」誌より


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