グレート・アバコのボーンフィッシング(第2回)
−Yet Another Travel To Abaco(YATTA)−
Sandy Point
悪いことばかり書き連らねたが、いいことも多くある。
食事は、豪華とは言えないがなかなか旨い。
コンクという大きな巻き貝、近海の新鮮な魚(アタリマエか?)、豚、鶏、などが基本素材で、日本人の口にも合う。
ボリュームは満点。
宿の女の子も愛想が良い。
何よりも、ボートで3分も出れば、もうボーンフィッシュが釣れる。
このおかげで、最後までめげることなく、このサンディ・ポイントで7日間を過ごした。
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 グラス・フラッツ |
サンディ・ポイントを基点とする釣り場は、大きくは5つ。
サンディ・ポイント正面のフラッツ
北のマールの方へ向かったあたり(行ってません)
グレート・アバコ南端のフラッツやクリーク
ムーアズ・アイランド
ゴーダ・キー
釣り場の環境は様々で、沖合いのフラッツ、岸際のフラッツ、リーフ状の岸辺、クリークや小島の廻りのマング
ローブ際など、と非常に変化に富んでいる。
海底のタイプも様々で、白く固い砂底もあれば、ボートからしかアプローチできないベージュ色をした柔かい
泥底もある。もちろんそれが混じるところもある。
アバコの周辺は、タートルグラス(芝を巨大にしたような海草で、葉の長さは15〜25センチほど)が繁茂する
、いわゆるグラス・フラッツが多い。
グラスがまばらにはえ、まだらに見えるところもあれば、一面に密生して黒っぽく見える場所もある。
グラスの密度によって海底の色は様々に変化する。
グラス・フラッツで、20メートルも先に、急に現れるボーンフィシュを見つけるのは本当に難しい。
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いくつもある素晴らしい釣り場の中でも、ムーアズ・アイランドが特に印象に残る。
ムーアズ・アイランドはサンディポイントからボートを北東へ走らせ45分程のところ。
外洋に近く、風が強いので、条件の良い日に狙う。
ここは、サンディポイント周辺で一番の大型魚ポイントだろう。
大型で1匹もしくは2〜3匹で移動するボーンフィッシュが多い。
アベレージは6〜7ポンド。大きなのは10ポンドを超える。
一般的には小型が多いといわれる、群れの魚ですらアベレージは4〜6ポンドもある。
 13LB Bonefish! |
友人は、10ポンドを優に超えるボーンフィッシュにティペットをぶっちぎられていた。
羨ましい。
フロリダから来ていたPaulという人は、このムーアズ・アイランドのマングローブ際で、なんと13ポンド!!
!!!をリリースしたという。
さらに羨ましい。
サイズだけでなく、魚の数が多いのもまた魅力だ。
初めてムーアズ・アイランドへいった朝などは、友人は最初のキャストでボーンフィッシュを釣ってしまった。
羨ましい。
あるクリークでは、ウェーディングして待ち伏せをする我々にボーンフィシュの群れがまっすぐに向かってくる。
百匹を超える大きな群れが、扇型に広がって水深30センチほどしかないフラッツをジグザグに進んでくる。
チャンス!!
しかし、群れの上をラインでたたけば、それで終わり。
興奮と緊張でなかなか、思うようにタイミングがあわない。
ビッグ・スクールと浅いフラッツで遭遇すると、とにかく視覚的に興奮する。
RUN
つとに有名なことだが、ボーンフィッシュはフッキングした後、とんでもないスピード
でいっきに走る。
これがたまらなく面白い。
ストライクの瞬間はあまり派手なものではない。
ロッドを立てずにストリップ・ストライクでフッキングさせる。その後しばらくはモゾモゾする。
しかし、ボーンフィッシュはことの重大さを知るやいなや、リールからいやがるバッキングをいっきに引き
ずり出して突っ走る。

ダーク・エンジェル(VECTIS GX-1)/ミノルタ にて撮影 |
視界いっぱいにひろがる海を、ラインが切り裂いて走る。
リールのクリックが、悲鳴をあげる。
これが、本当に気持ちいい。
しかし、この後が大変。
引き出された100メートルものラインとバッキングを延々と巻き取らなければならない。
ボーンフィッシュはファーストランの後、何故か泳ぎ戻ることが多い。
ラインを弛ませないために、猛スピードでクランクすることになる。
これがなかなかしんどい。 |
とにかく、ボーンフィッシングの楽しみの大きな部分は、魚とのやり取りにあるように思う。
ボーンフィッシュの走りは、同じ大きさの淡水魚の何倍ものスピードと強さだ。
うっかりラインを手で滑らせて走りを止めようなどすれば、指に火傷の筋が走る。
逆転するリール・ノブに指が当たれば、戦意を喪失して暫くはリールを巻く気がしないほど痛い。
今回の釣行でも、ティペットをブチブチ切られてしまった。
バハマでは、ボーンフィッシュがティペットを切って逃げるための環境と道具がそろっている。
マングローブが至近、マングローブの幼木は無数、珊瑚がごろごろ、鮫やバラクーダがウロウロする。
下手にドラッグを強くすると、ボーンフィシュはマングローブに向かったり、海底に口を押し当ててティペット
を珊瑚や石にこすり付けながら走る。
かといって、ドラッグをゆるめすぎて下手なパーミングでやり取りを長引かせると、幾度となく魚は走り、
リリースされてもなかなか走り出せないほど、体力を消耗してしまう。
鮫やバラクーダが徘徊するフラッツに、ヘトヘト、フラフラになったボーンフィシュをリリースするのは、
酔いつぶれた男を車の運転席に押し込んでバイバイするようなもの。
最悪の場合、リーリングの途中で魚が半分になってしまうこともある。
加減が、難しい。
コルクディスクのドラッグブレーキを装備する上等なリールは、技術と経験の不足を確実に補ってくれる、
というようなことをオーソリティが書いていたのを思い出す。
大袈裟なことを言うと思っていたが、なるほどと、ようやくその意味が理解できた。
Tailing
潮位が低く、水深が30cmほどになったフラッツでは、テイリングする魚
を発見することができる。
テイリングとは、ボーンフィッシュが水底を口で突ついて掘り返す動作をしている状態を言う。魚体が斜めに
なるので、黒い尻尾が海面から突き出すので発見しやすい。
ボーンフィッシュはカニ、シャコ、エビなどの餌を探して、底を掘り返すのに夢中なので、存外に近くまで
つめることができる。
水底に気を取られて、頭のすぐ近くにフライを落とさないと気づいてくれない。
当然、重いフライやラインで水面をたたいて音をたてるわけにはいかない。
ストーキングして、至近距離まで、そっと近づく。
鱒をドライ・フライで狙うのに似ている。
突然泳ぎ現れて、すぐに泳ぎ去る、そんなボーンフィッシュを焦って狙う場合より、イロイロと考える時間が
ある。
胸が高鳴るのを、ぐっと堪えてする、切ない釣りだ。
テイリング・ボーンは、フッキングするまでが特に面白い。
Pole
我々のガイドはPoleという名の無口で静かな男だった。
サンディ・ポイントでは、ガイドのローテーションはしないそうで、一人のガイドが、全日程を通してガイド
してくれる。一人のほうが毎日違うガイドの名前を覚えなくて楽だろうという配慮だそうだ。
ボートは、フラッツ・スキッフというよりも漁船に近いが、大きいのがよい。
ボートに、ガイド一人と釣り客二人が標準。
ガイドとの意志の疎通は極めて大事だ。
ボーンフィッシュを海藻の繁ったフラッツで見つけるのは容易なことではない。
テイリングやナーバス・ウォータ/Vウェークなど呼ばれる海面上の変化があれば発見も難しくはないのだが、
判りにくいこと甚だしい。
ましてや、馴れない我々には、まったく見つけられないことのほうが多い。
ガイドは、ボーンフィッシュを発見すると、魚がどこにいて、どれくらいのスピードで、
どちらへ向かっているかなどの情報を、我々に伝える。
Poleの英語は聞き取りやすかったのだが、だだっ広い海のなかの一点を、言葉だけで説明されても理解するのは
容易ではない。
ボーンフィッシングは、特別な場合を除いてサイトフッィシングが基本。
バハマでは英語が公用語で、皆、やや訛りはあるが英語を話す。
キャストを急かされても、位置が判るまではキャストしないほうがよい。
ガイドは魚の位置を、ここだ、あそこだ、というが判らないのが常。
友人は、魚の場所が判らない時、"I don't see it!"などと英語で伝えるのがまどろっこしいと、日本語の
「どこ?」という言葉をPoleに教える。
早速、実践利用する。
"Fish!"とPoleがつぶやく。
すでに興奮した友人は、「どこ、どこ、どこ?」と聞き返す。
とにかく魚を目ることができない限りキャスティングのしようがない。
"Left of the white patch"とPole。
あたり一面に"White patch”がいくつもある。
「どこどこ、どこどこ、どこどこ?」と友人。
"At the mangrove seeds"
これも目の前に数十本はある。
「どれどれどれどれ、どれー?」
"He moves toward us"
「えーー、はよー、どこーーーーーー?」
といった、具合だ。
最後はガイドにポールや指で指し示してもらう。
結局これが一番判り良い。
パート1
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