<達人のよもやま話、刃物パート2>
いい素材のナイフが欲しい。こう思っているアウトドアマンは多い。だがどんないい素材でも上手に研がれていなければ、本来の能力が発揮できない。自分で研ぐことも出来ない。アウトドアマンが万能ナイフなんか使いものにならないと、吹聴しているのを聞くが、ナイフの持つ能力を使いきった事もなく。ただナイフブレードが短い、使いづらいとロクに使った事もなく、判断しているヤツがいる。生命に関わる道具としてナイフを選んだ事がない証拠だ。
不思議だがナイフにはロマンがあるのは確かだ。だが達人のアウトドア歴の中で、自分を助けてくれたのは万能ナイフだった。偉大な冒険家で、達人が尊敬する植村直巳さんの愛用のナイフもスイス製の万能ナイフだった。
実は私も10代、20代には山男と呼ばれる世界で生活をしていた時期がある。山の世界は最近のタープの張り方がどうの、アウトドア料理がどうのなどと言っている、軟弱な世界ではない。最近のアウトドア達人像は太ってヒゲをはやしているみたいだが、そんな身体のヤツは話にもならない。より困難な山を目指して、毎日がトレーニングの切磋琢磨の日々であった。山の世界は究極の世界である。そんな中で選んだ。2種類の刃物は究極の道具と呼べる。
テントごと、雪崩で吹っ飛んだ時、ナイフでシュラフとテントを裂いて 脱出する。それに必要な鋭利なブレードを持ち、何時でも首から下げておけるコンパクトナイフ、スーベニアと常に道具として持ち歩いた。
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愛用のナイフ、スイスチャンプ、フルに能力を出して使うので
ノコギリは少し曲がり、ドライバーは無理矢理こじるので、刃
が欠けている。
このナイフがあったので助かった思い出がまだまだある。
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チャンピオン、万能ナイフはすべてが中途半端で使いものにならないと話す、専門家がいる。確かにプライヤー一つを比べても確かだと思う。だが如何に荷物を軽くコンパクトにする事を目指しているものが、何があるか分からないからと言ってプライヤーやドライバーを持っていくわけにはいかない。
だが、玩具のような、この万能ナイフには何度も助けられた。冬山でスキーの先を折ってしまった時、もうこれで帰れないと思いながら、山小屋に戻った時、土間で空き缶を見つけた。ブリキ板の様にのばしてスキー板に巻き付けられればと思い。ナイフで缶を切り、山小屋の釘を数本抜き、空き缶をスキー板に巻つけ、釘で止めて、何とか下山をした思いがある。
こんな事もあった。まったく人の居ない大湖で、船の船外機が壊れて動かなくなった時も、この万能ナイフでキャブレターをバラして何とかメインジェットに詰まった物を取り除いた。おかげで3時間ほど漂流してからキャンプサイトに戻ることが出来た。何も無ければ助からないが、中途半端と言われている物でも、あれば、生命の危機から助かる訳だ。余談だがスーベニヤナイフは女性登山家の今井通子さんも、愛用しているナイフだそうだ。
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17歳から愛用しているスーベニアナイフの
ブレードは研ぎすぎて原型をとどめない。
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この二つのナイフはスイス、ビクトリーノックス社製のものだ。このメーカーの素材はステンレスカーボン素材で硬度が堅い割に粘りがある。ナイフの切れ味や道具としての堅さには定評がある。ひとつ一つの小さいパーツだが、多くの加工作業で作られた精密なナイフだ。
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